整体って?
3 5月 2010
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辞書には骨格などの歪みを矯正し、身体の均斉をとることにより
健康増進や体質改善などを図る事と定義されている。
なんだか色々あって、マッサージとどう違うの?
そうです。 現在 『 整体 』 という言葉を正確に定義するのは困難!
もともと、整体には系統だった歴史や学問が明確でなく ” 様々な流派や技術が混在し ”
1つの技術体系として成り立っているものではありません。
整体以前は日本武術の中にある 『 活法 』 と称される治療術が存在していましたが
現代のように整体が民間療法の位置づけをされたのは大正時代にはいってから!
まず明治44年に現在の厚生省にあたる ( 内務省 ) が日本伝統医学の一環であった
按摩術のみを免許制 ( マッサージ師 ) として他の療術と区別しました。
次いで大正9年にマッサージ以外の療術に対する取り締まりをおこないます。
敗戦後、欧米化 ( 西洋医学の普及 ) に伴って排除されてきた悲惨な歴史が …
当時の東洋医学的立場の療術家は、これに猛反対しその当時日本へ流入した
カイロプラクティックやオステオパシーなどの技法を武道医学 『 活法 』 に導入して
なんとか統合を試みた。
その結果誕生したのが現在 『 整体 』 と呼ばれる技術体系です。
現在の整体がカイロプラクティックのような物理的手法と経絡経穴 ( ツボ ) 理論などの
東西混合系が多いのにはそのような背景があるようです。
近年では更に東西問わず色々な手法や考え方が取り入れられ百花繚乱の状態。
そこでどんな特徴があるかまとめてみました。
カイロプラクティック
カイロプラクティックは1895年にアメリカ人のD.D.パーマーにより創始。
脊椎などの椎骨がずれると神経が圧迫されて様々な症状を引き起こす、という基本概念で
手によって脊椎を整え機能を正常化させるという療法です。
整体が東洋医学をベースに長年の経験の蓄積により発達してきたのに対し
カイロプラクティックは西洋医学に基づいています。
米国公認のD.C ( ドクター・オブ・カイロプラクティック ) の資格を持つドクターは
アメリカでは医師と同等の資格?だが日本では法制化資格はありません。
オステオパシー
身体全体 ( 筋肉・筋膜・骨格・頭蓋・内臓・神経系・リンパ・血管等 ) を
一つのユニットとして捉え
人間自ら持っている自然治癒力を高めるため障害や歪みを解放する治療を施す。
アメリカではすべての州でDoctorofOsteopathy (D.O.)の免許を認可しているそうです。
D.O.の特徴としては外科手術や投薬に関しても認められていること。
D.O.は、整形外科医に転向することもできます。しかし日本での法制化資格はありません。
スポンディロセラピー
1910年にアメリカのアルベイト・エブラムによって創始。
スポンディロ (脊髄) とセラピー (療法) と言う意味で 「 脊髄療法 」 または
「 脊髄反射療法 」 と呼ぶ。
スポンディロセラピーでは皮膚や脊椎の棘突起を叩打したりすることによって、脊髄反射中枢に
刺激を与えて疾病の治療を行う。脊髄反射は所定の脊椎から特定の内臓に
反射現象が起こるので反射中枢に対するある程度の知識が要求されます。 ( デルマトームなど )
スポンディロセラピーは大正時代に日本に導入されましたが法制化資格はありません。
野口整体
野口整体では人間にあるという体癖 ( 体の歪み ) を、愉気法や活元という
独自の方法で自己治療し ” 修正現象 ” がおきることで自然体になるとする。
創始者:野口 晴哉の名前からこう区別される。
基本的には他人を治療するのではなく、自分で自分を治療できるよう指導するのが野口整体の特徴。
昭和20年代後半には、人間の性格研究の成果として 『 体癖論 』 をまとめ
1956年に旧文部省の認可を受けて社団法人整体協会を創立。
いろいろな治療法の混在した一般の整体から区別するために、彼の整体は特に野口整体
と呼ばれ活元運動・愉気法など独自の概念や方法論をもつ。
操体法
医師であった ” 橋本敬三 ” が ” 高橋迪雄 ” の正体術など民間の健康法を
みずから実践し、肉体の変化が進む過程で何が起きているかをつかんだ結果うまれた施術。
具体的には痛みやつっぱりを感じるときに、痛い方向・つっぱる方向から痛くない方向
つっぱりを感じない方向にゆっくり動かし、最後にすっと力を抜くと歪みが解消されるという方法。
初期の理論では、客観的に骨格構造を観察して、運動系の歪みを修正することを
主題としているのが特徴。その後客観的な見方を離れ個々人の内部感覚 ( 快・不快 ) に基き
生体のフィードバック機能を洗練させることが重要であることをより強調する形になった。
現在では、より質の高い快適感覚を 「 からだ 」 に聞き分け味わうという感覚分析を
するようになってきている。
均整法
故 ” 亀井進 ” の研究により、昭和26年に身体均整法として創始される。
身体均整法の基盤として、体の使い方が、左右・前後・捻りの6動作から人体を
『 12種体系 』 に分類。 これを元に観察・設計・調整する。また均整法の3原則として
「平行性」 「可動性」 「強弱性」 がありこの原則に基づいた施術をおこなう。
PNF
日本語で ” 固有受容体性神経筋促通法 ” と訳される。1940年代に Herman Kabat
によって始められた治療法で、元来は脊髄性小児麻痺 ( ポリオ ) 患者の治療法として
適用されてきました。その後この療法が多くの障害を持つ患者にも効果的であることがわかり
PNFは理学療法のリハビリテーションの一つの方法として発展してきた。
現在では中枢性疾患の患者からスポーツ選手のリハビリテクニックまでと幅広い。
「 固有受容器 」 とは身体の変化を感じ取る受容器で、筋、腱、関節、皮膚などに存在し
筋紡錘や腱紡錘もこれにあたる。
PNFは、この固有受容器を刺激することによって 神経-筋メカニズムの反応を促痛させる方法。
徒手による刺激としては触覚刺激、抵抗による刺激、関節刺激 ( 牽引・圧縮 )
伸張刺激パターンによる方法などがあり
その他聴覚刺激・視覚刺激などを目的に応じて用い機能回復に繋げてゆく。
MET
筋エネルギー手技 ( Muscle energy techniques ) の略語。
「 等尺性収縮後弛緩 = 筋肉の長さを変えずに力を入れた後その筋肉は緩む 」
「 相反抑制 = 主導筋を使ったときに拮抗筋 ( 反対の動きをする筋肉 )は緩む 」
などの筋肉の性質を利用。
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